・販売期限に応じて価格が自動的に変動
ダイナミックプライシングとは、需給状況に応じて価格を変動させ、需給バランスを調整する手法で、航空運賃や宿泊料金などで広く用いられている。「Wasteless」は、商品の在庫レベルを継続的にモニタリングし、販売期限が迫った商品について、機械学習をベースとする価格設定エンジンにより、需給量や地域、季節など、43もの要素を考慮したうえで、価格をリアルタイムに変動させるのが特徴。
消費者は、通常の消費期限が担保された商品を定価で購入するか、消費期限が短い商品を割引価格で購入するかを選択できるというわけだ。
また、「Wasteless」には、商品の在庫が少なくなってくるとアラートを通知する機能も搭載。
小売業者は、商品の在庫切れを未然に防ぎ、機会損失を軽減することができる。
・食料廃棄量の軽減にも役立つ
農務省(USDA)によると、米国のスーパーでは、青果物だけで年間150億ドル(約1兆6500億円)相当が廃棄されている。
「Wasteless」は、消費期限に限りのある商品をより安く消費者に提供することで、小売業者の収益を向上させ、食料廃棄量の軽減にもつなげるソリューションとして、大いにニーズがありそうだ。(文 松岡由希子)
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