社員にもひた隠しにされてきたこの事実が、明るみに出たのは今年の3月。社員の1人が、某メディアにリークしたことで、表沙汰になった。これが発端となり、同社内で内部分裂が勃発。多くの社員から、不信感を買う結果となった。
・広がる内部亀裂
しかし、ここにきて新たな動きが。分裂を恐れたグーグルが、ペンタゴンとの契約を解消する方向に出ているらしい。同問題に精通する人物によると、グーグルでは4000人以上の社員が、契約解約を求める嘆願書に署名。さらに、ここ数週間で、少なくとも13人が、抗議辞任したとのこと。これ以上の波紋をさけるため、契約解除せざるを得なくなった、というのが大方の見解だ。「Project Maven」は、昨年4月にスタートしたプロジェクト。別名、AWCFT(Algorithmic Warfare Cross-Functional Team)とも呼ばれ、ペンタゴンの持つ大規模データと機械学習の統合を加速させることを目的に、軍が収集する膨大な映像を、適切に処理するために始動した。
・AIの軍事利用、その是非を問う問題
グーグルの役割は、ペンタゴンに人工知能技術を提供し、ドローン画像から捕捉されたターゲットの識別を補助すること。同社の幹部は、「クラウドコンピューティングとデータ分析ツールは、非攻撃的なタスクに使われており、人命を救うのに役立つ」と述べた。戦闘用途には、一切関与していないとのことだが、社員の不安増大はおさまらず、今回の決断に至ったと見られている。世界的IT企業による軍事プログラムの関与。AIの軍事利用に対する懸念も含め、この論争は、まだまだ続きそうだ。
souce by NBC NEWS.com