今回ご紹介する「PICKS」は、テイクアウト専門の新アプリ。好きな料理をスマホから事前注文。完全キャッシュレス、待ち時間ゼロで受け取ることができるという、何とも便利なサービスだ。
提供元は、2016年設立のDIRIGIO 。代表取締役社長兼CEO の本多 祐樹(ほんだ ゆうき)氏が、取材に応じてくれた。
・テイクアウトジャンルに新たな文化を創出
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
当時アルバイトしていたエスニックレストランの店長が、1万円くらいのテイクアウトオーダーを、2日連続で頼みました。そのとき、飲食店側の立場から、「テイクアウトって、十分に販促できていないけれど、うまくやれば、高利益で売上増ができるな」と思ったのがきっかけです。
ただし、オペレーション上の問題は、かなりありました。そこで、飲食店とお客さま、双方のメリットのため、テイクアウトの“事前注文・事前決済”を思いついたのです。(中略)事業の可能性もそうですが、新しい文化を創り上げる側面もあるので、そこにやりがいも感じて、始めることにしました。
Q2:現在加入している店舗は、どれくらいあるのでしょうか?また、加入の条件などがありましたら、併せて教えてください。
現在の契約店舗数は、約35店です。すでにお問い合わせを頂戴していたり、話をしているお客さまが何店舗かあるので、今後3か月で、100店舗くらいに増える予定です。
加入の条件は、特に設けていません。ただし、テイクアウトはデリバリーと違って、お店の接客や雰囲気も、かなり影響します。(そのため)お客さまの体験を一緒に作っていけるような店舗さまに、優先して声をかけております。
・めざすは“モバイルオーダー&ペイ”のプラットフォーム
Q3: 今回の資金調達によって、サービスはどのように変わるのでしょうか。1点目は、利用店舗数の拡大。特定の地域で、ある程度の店舗数が確保できる状態にしていきたいです。2点目は、アライアンスの強化。積極的に商店街やデベロッパーのみなさまと、実証実験や提携を、進めていきたい、と思います。
3点目は、運営体制の強化ですね。しっかりとサービスをのばせるよう、人財投資にあてていくつもりです。
Q4:今後の展開について、教えてください。
まずは、テイクアウトの“モバイルオーダー&ペイ”として、事業を成立させることです。長期的には、“モバイルオーダー&ペイ”のプラットフォームをめざします。
テイクアウト以外に“モバイルオーダー&ペイ”が、スーパーや映画館といったリアルな空間で、購買体験を変えられることは、多々あると考えています。そして、それが実現するべき未来の姿だ、と思っています。
独身者や高齢者の増加が見込まれる今後。テイクアウトの需要は、ますます高まっていくだろう。「PICKS」の普及と進化に、期待したい。(取材・文 乾 雅美)
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