最大の特長は、コード不要でウェブサイト制作ができるところ。思いどおりのデザインで、ウェブサイトを簡単に公開できる点が、高く評価されている。
先月、満を持して正式版をリリース。開発元であるSTUDIOの代表取締役、石井 穣(いしい ゆたか)氏に、早速詳しい話を聞いた。(写真:向かって左から2番目が石井氏)
・デザインとコードを1つにした画期的なツール
Q1:まずは、このようなサービスを開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。
創業者である私と甲斐(啓真氏)は、どちらもデザイナー兼エンジニアとして、これまでにたくさんのウェブサイトやアプリを、制作してきました。
しかし、その過程において、さまざまな問題が生じました。デザインと開発が完全に分離しているのが原因で、一からデザインした後に、再度1から実装をしなければならない。デザイン通りに、実装されない。デザイナーと開発者間のコミュニケーションコスト、などです。
それらを解決するには、「デザインとコードを、1つにしてしまえばいいのではないか?」と考えました。そのアイディアの下、実際のコードベースのデザインツール「STUDIO」を開発しています。
Q2:ベータ版の反響はかなり大きかったようですが、どのような部分がユーザーに評価されたと思われますか?
“コンセプト”と、“プロダクト”ではないでしょうか。私たちのコンセプトは、ウェブサイトを作ったことのない、まったくの素人だと、なかなか理解しづらいと思います。
ただし、一度でもウェブサイト制作に関わったことのあるデザイナーや、エンジニア、ディレクターなどには、とても刺さるコンセプトになります。さらに、それを表現するためのプロダクトの完成度が高く、しっかりと伝えられたことが大きい、と思われます。
最初からグローバルでこのコンセプトは必要とされている、と感じていたので、英語ベースで作成していたことも、功を奏したようです。おかげさまで、“プロダクトハント”で1位を獲得することができました。
・いかに直感的に使えるかを重視
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか?私たちのコンセプトは、まったく新しいものです。そのため、より多くの人に使ってもらえるよう、「直感的に使えるようにすること」に、一番苦労しました。
単純に機能を増やすだけなら簡単ですが、それをいかにわかりやすくするか、直感的に使えるようにするかを考え抜いて、一つひとつの機能を実装しています。
デザイン的思考だけではだめだし、エンジニア的思考だけでもだめ。両方の側面を、うまく合わせながら開発していくことが、大切です。
Q4:今後の展開について、教えてください。
将来の目標は、あらゆるウェブサイト制作のプラットフォームになることです。そのために年内は、新機能の開発など、プロダクトの改善に励んでいきたい、と思っています。
今後は、日本国内だけではなく、海外でのシェアもしっかり取れるよう、現地チームや海外マーケティングにも、力を入れていきます!
直感的な作業だけで、手軽にウェブサイトを制作できる本ツール。そのメリットは、コスト削減や時間短縮だけではない。作り手のクリエイティブな欲求も、満たしてくれることだろう。料金プランは、全部で3つ。まずは、無料コースから始めてみよう。(取材・文 乾 雅美)
STUDIO 次世代デザインツール