ただ、ネットから受ける恩恵に格差があることも忘れてはならない事実で、情報へのアクセスしやすさ(アクセシビリティ)の向上が求められている。
5月、第三木曜の「Global Accessibility Awareness Day」には、アクセシビリティについての啓蒙活動が世界各国で開催された。
Googleも、さまざまなマーケティングスキルを5分で学べるアプリ「Primer」に、アクセシビリティについてのレッスンを追加している。
・10億人の潜在顧客にリーチするために
今回追加されたレッスンからまず学べることは、Webサイトやサービス、製品でアクセシビリティ向上を考えることは、多様なユーザーへのリーチ獲得につながること。
例えば、なんらかの障害を持った人は世界で10億人以上いて、これらの人々をサービス対象から除外すれば、人口の約1/5にあたる潜在顧客を最初から逃していることになる。
高齢社会の日本ではこの割合はどんどん大きくなっていくだろう。
それでは、アクセシビリティ向上のためにどんな工夫をすればよいのか…アプリでは具体的なヒントをわかりやすく示してくれている。
・千差万別のユーザーの状況を想定する
たとえば、アプリを設計する際には、ボイスコントロールへの対応を考慮してみる。すると、手の不自由な人たちがアクセスできるようになる。
それだけでなく、犬の散歩などで手がふさがっている人にとっても活用しやすいアプリになるだろう。
ユーザーの状況は千差万別で、全盲の人もいれば、弱視の人もいる。色覚障害の人もいれば一次的に目の治療をしている人もいるかもしれない。また、目が疲れていたり、運転で目が離せなかったりといった状況の人もいる…
このような多様な状況を想定した場合、全盲の人に焦点をあててアクセシビリティ向上を図れば、他の状況での活用も期待できるだろう。
「体の動き」や「視力」以外にも、「聴力」や「認知能力」などについても、アクセシビリティを考慮した設計が考えられる。
「Primer」は絵カードでサクサク学べて、広範な事例が示されている。さらにはアクセシビリティ向上を考えるうえで役立つツールなども紹介してくれているので、ぜひ活用してみてほしい。
Primer