ソフトボールほどの大きさのヘリを使って実際に火星で飛ばすことが可能かどうかを検証し、ゆくゆくは探査車で行けないようなところの調査をヘリで行うことを視野に入れている。
・羽根を早く回して揚力確保
ヘリ飛行が可能かどうかを実験するのは、もちろん火星の環境が地球とは全く異なるからだ。重力は地球の3分の1で、大気の密度はかなり小さい。
そうした環境で飛ばすため、羽根の回転数を通常の10倍に高めて揚力を確保するとのこと。また、火星の夜はかなり冷え込むことから、ヒーティングメカニズムも搭載する。
・まずは高度3メートルで
ローバーとヘリの打ち上げは2020年7月に予定され、7カ月後に火星に到着する見込みだ。地上に置かれたヘリはソーラー電池で充電され、ローバーを経由して地上からコントロールする。
NASAは、初の飛行テストで高さ約3メートルまでの上昇と30秒ほどのホバリングを見込んでいる。テストがうまくいけば、その後1カ月かけて4回飛行させる計画とのこと。
火星の調査といえば、現在、探査車が活躍中だ。タイヤで表面を動き回る自走ロボットで、火星のあちこちの写真やデータなどを送っている。しかし、火星の表面は険しく、陸上移動には限界があることからヘリの活用ということになった。
火星から新しい映像やデータが届けられるようになることを期待したい。
NASA