ドイツでは、航空宇宙センターチーム監修の下、ハイテク温室による野菜育成を検証中。日光や土壌に頼ることなく、苗を育てられるか実験しているところだ。
・コンテナ型温室で野菜作り
実験が行われたのは、南極のEDEN ISS研究所内。温室はコンテナ型で、光の人工照射や自動空気循環など、農業に必要な機能を備えている。ここに、専用の成長キャビネットを設置。手始めに、比較的育てやすいキュウリ、トマト、ピーマンの苗を植えた。
現地の環境は厳しく、常に強風が吹き荒れる状況。気温は、マイナス5度から10度をいったりきたり。普通なら、農作物どころか、葉っぱ1枚育てることもできない。しかし、チームはこの環境をプラスに捉えている。システムの最終目標は、宇宙空間での作物収穫。火星と酷似したこの状況こそ、絶好のチャンスと見ている。
・干ばつ地域での活用も可能
報告によると、どうやら最初の作物育成には成功したらしい。キュウリとトマト、ピーマンは無事収穫され、越冬隊員の食料として供給される予定だ。チームはその後、イチゴ、レタス、大根、バジル、パセリ、レモンバーム、ミントの苗も植え、実験を継続。システムの課題を見出していくという。
すべての問題がクリアすれば、宇宙空間での野菜収穫が可能となる。そうなれば、干ばつ地域での活用も、十分考えられるだろう。まずは、地球上から飢餓に苦しむ国がなくなることを祈りたい。
souce by DLR News