筆者のもとに一足先にWT2のプロトタイプを提供してもらえたため、今回はその使い勝手や翻訳精度などについてレビューしていきたい。
・WT2はミニマリスティックで高級感のある仕上がり
まず、WT2の外観から述べておこう。イヤホンはAppleのAirPodsより多少大きくできており、丸みをおびた卵のような専用ケースに充電しながら使うこととなる。
どちらもハードウェアとしての完成度が高く、安っぽさがまったくない。充電ケースは2片にわかれるようになっており、両側面も磁石でくっつくようになっているため、イヤホンを取り出す際にケースを落とさなくてすむのは大変助かる。
・翻訳精度には改善の余地も
WT2の翻訳精度に関しては、結論からいうと、プロトタイプとはいえ決して高いとはいえなかった。たとえば日本語で「好きな食べ物は何ですか?」と聞くと「What is the food like?(その食べ物はどんな感じですか?)」と訳されてしまう。
しかし、「あなたの」を加えると「What is your favorite food?」と正しく翻訳された。会話の前後関係を読むことができないため、主語が「あなた」なのか「わたし」なのかを明確にする必要があるようだ。
また、英語から日本語に翻訳する際には、文字通りに直訳されてしまうことが多かった。たとえば、「I'm from the U.S.(アメリカ出身です)」と英語で発話すると、「私はUSから」と、不自然に直訳されてしまう。代わりに「I came from the U.S.」と発話すると「私はアメリカから来ました」と正しく翻訳される。
このような不自然な翻訳も多かったため、翻訳精度に関してはまだまだ改善の余地があるだろう。
翻訳速度は3G回線でも2、3秒ほど
翻訳の所要速度はなんと3Gインターネットを使っても2、3秒ほどだった。開発元が強調するように、スマホをながめながら会話をする必要もないため、ボディランゲージを含めた自然なスタイルで会話をできるようになる可能性は秘めているだろう。
今後対応する言語も増え、2019年にはオフラインモードでの利用も可能になるとのこと。WT2も含めて、まだまだこうした翻訳機が本当の意味で実用的になるまでには時間はかかるだろう。
しかしWT2は、私たちがそうした未来へ向かっていることを実感できる、そんなプロダクトであることは間違いない。
執筆:Doga
WT2/Makuake