「Wall++」と呼ばれる技術で、壁は巨大なタッチパッドや家電のモニター、ジェスチャーセンサーに変身する。
しかも、低コストで特別難しい技術を利用しているわけではない。何ができるかや、どういった方法でスマートウォールを実現したのか見ていくことにしよう。
・壁面がどこでも家電のスイッチに
Wall++は、導電性塗料と、センサーボードを利用したシンプルなIoTソリューションだ。壁の表面に電極をつくりタッチパッドとして機能させるほか、電磁センサーを使用して家電の挙動が検出できる。
これにより、スマートウォールをルームライトのスイッチにしたり、テレビがついた際に自動で光のレベルを調整したりといった家電の操作が可能になる。
また、将来的には、磁力を帯びた特殊ウェアを装着している人の動きが追跡できるようになるため、ジェスチャーを使った家電の操作やゲームなどにも活用できるとのこと。
・1㎡あたり20ドルの低コストを実現
Wall++の秀逸な点は高価なシステムや特別難しい技術が必要ないこと。壁一面に、クロスするようにマスカーテープを施し、その上から導電性塗料を塗って電極をつくる。電極を保護する目的で一般的な塗料で覆ってベースの完成だ。
この方法の採用により、1㎡あたり20ドル(約2200円)で、既存の壁をスマートウォールにできるとのこと。
ただWall++は、電力消費面でまだ最適化の余地があるようで、これが実現すればIoT社会実現にとっての心強い援護射撃となるのではないか。
もしかすると、スマホやスマートスピーカーを代替するのは「壁」かもしれない。
参照元:Conductive Paint Transforms Walls Into Sensors, Interactive Surfaces/Carnegie Mellon University News