その研究成果をまとめた論文が、2018年4月、学術誌「米国科学アカデミー紀要 (PNAS)」で公開された。
・人工知能が大豆の異常を自動で診断
研究チームは、まず、アイオワ州で大豆の葉を撮影し、その画像データをおよそ2万5000件にわたって収集。
さらに、人工知能(AI)が画像分析するための学習手法のひとつ「畳み込みニューラルネットワーク(CNN)」をベースに、大豆べと病、葉焼病、ダイズ斑点病など、8種類のストレス因子と関連する大豆の葉のパターンを分析し、大豆の画像からその異常を診断できる機械学習プレームワークを開発した。
この人工知能による診断結果とベテランの科学者による実際の診断とを比較したところ、優れた相関が認められたという。
つまり、この人工知能が、専門家の“目”の代わりに、大豆を自動で診断できるというわけだ。
・ドローンや農業用ロボットへの応用可能性も検討
この人工知能は、現時点では学術分野に限って利用可能だが、将来的には、スマホアプリに実装し、幅広い活用を促したい方針だ。
また、ドローン(UAV)や農業用ロボットなどへの応用可能性も検討されている。
この研究成果のように、農業の分野への人工知能の活用が広がることで、農業の自動化や効率化がさらに加速しそうだ。(文 松岡由希子)
Iowa State University