できたデバイスを貼り付けるのではなく、皮膚に直接、電子回路を3Dプリントするというものだ。ライトやセンサーといった電子回路を伴うデバイスを、必要に応じて皮膚に取り付けることができる。
・銀フレーク入りのインク
この技術のポイントは、まず特殊な伝導性インクにある。通常、3Dプリントでは樹脂やプラスティックといった材料を熱で溶かして変形できるようにし、冷ますことで形成される。
しかしこの方法で皮膚に印刷すると火傷してしまう。そこで、銀フレークをインクに混ぜることで室温でも変形できるようにした。
・ノズルが自動で位置調整
また、意図したところに確実にプリントできるのもこの技術の売りだ。まずプリントしたい場所にドット様のマーカーで印をつける。すると、コンピュータービジョンがそのドットを認識し、イメージ通りにプリントしていく。
たとえば腕に貼り付けようとして、プリント中に腕が動いでもノズルが自動調整する。これは、屋外などで、貼り付けたい部位を固定できないような状況での利用を容易にする。
・医療面での応用も
この技術、兵士が戦場でバックパックからプリンターを取り出して化学センサーなどを皮膚にはりつけていく、というような軍事面での活用を想定している。
また、研究チームはこの技術を使って、バイオインクで細胞を生きているマウスの皮膚の傷口に直接プリントとすることにも成功していて、医療面での応用も期待できるという。
University of Minnesota