そこで必要とされるのが、ブロックチェーンの仕組みに関する知識。仮想通貨の根幹であり、信頼を担っている大切な技術だからだ。しかし、社会での汎用性が高まる一方、開発者はごく少数というのが現状。加えて、新たな開発言語を一から学習しなければならず、コストがかさむというデメリットも生じてしまう。
そんな課題を解決するのが、今回ご紹介する「ACCEL BaaS」。JavaScript1行とGUIでブロックチェーンの開発ができる、世界初のクラウドサービスで、ブロックチェーンを用いたプロジェクトを簡単かつ安価に進められる、画期的なシステムだ。
提供元は、2014年設立のTECHFUND。加速する仮想通貨時代に、どのように対応していくのか。Co-Founder、CEO&CCOの川原 ぴいすけ(かわはら ぴいすけ)氏に、話を聞いた。
・ウェブエンジニアでも簡単にブロックチェーンアプリを作成できる!
Q1:まずは、このようなサービスを開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。
弊社では、創業以来一貫してスタートアップ支援事業を展開しています。現在はブロックチェーンスタートアップを支援する目的で、“ブロックチェーン開発支援”を行っています。
ブロックチェーンを用いたアプリケーション開発には課題が多く、例えば各プロトコルの対応に学習コストが取られたり、エンジニアの報酬は高騰を続けているため、採用コストが通常の開発以上にかかります。「より多くのブロックチェーンアプリケーションが、世の中に出てほしい!」という想いから、このサービスを開発しました。
Q2: 「ACCEL BaaS」とは、どんなサービスなのでしょうか。
ブロックチェーンアプリケーション開発に必要となるメソッドやインフラ設定を、数行のJavascriptコードとGUIでサポートするクラウドサービスです。誰でも簡単に扱えるため、ウェブエンジニアでも簡単に、ブロックチェーンアプリケーションを作り始めることができます。
現在はEthereumやNEM、Liskなど、複数のプロトコルにも対応していますので、どのプラットフォームでも、ユニークで魅力的なブロックチェーンアプリケーションを作成することが可能です。
・目標はICOのプラットフォーム化
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。前述の通り、やはりマルチプロトコルの対応が、とても大変です。例えば、先日Liskのメジャーアップデートがありましたが、それにより呼び出す先のプログラムが変わったり、インフラを構築し直す必要がありました。黎明期の技術だからこそ、ルールが変わるスピードも早いのです。
ただし、私たちは、このアップデートを各エンジニアが追い続けることも、ブロックチェーンアプリケーション開発への参入コスト、と考えております。そのため、常に最先端の情報をキャッチアップしたり、ブロックチェーンコミュニティとのコミュニケーションを大事にしながら、開発を続けています。
Q4:今後の展開について、教えてください。
将来的には、ICO(Initial Coin Offering:独自通貨発行を通じた資金調達手法)のプラットフォーム化をめざしています。ICOに必要な情報を入力するだけで、誰でも簡単にICOすることができる世界観が実現できれば、スタートアップの資金調達環境は、大きく変化するはずです。
現在、日本には“仮想通貨交換業”の制約があり、実現できませんが、業法が取得できた暁には、世界で最もICO案件を輩出するプラットフォームを目標に努めてまいります。
現在、先行登録受け付け中の本サービス。先行登録者には、サービスに関する最新情報および、ベータ版サービスがクローズドで提供されるという。正式リリースは、6月頃。ブロックチェーンを使ったビジネス展開を検討しているなら、この機会にぜひ!(取材・文 乾 雅美)
ACCEL BaaS