米ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツの修士課程に在学していたグラフィックデザイナーのJenny Rozbruchさんは、晩年、血管性認知症を患っていた祖母のQOL(生活の質)を改善させようと、卒業プロジェクトの一環として、このアプリを開発した。
・認知症患者の生涯をビジュアル化し、長期記憶やコミュニケーション能力を刺激する
「GreyMatters」は、画像やテキスト、音楽などを組み合わせて、認知症患者の人生をビジュアル化し、記録として残すだけでなく、認知症患者の長期記憶やコミュニケーション能力を刺激し、介護者や家族とのつながりを促すソリューションだ。
若かりし頃の本人の姿や家族の写真などをアップロードし、簡単なテキスト文や音声ナレーションを付けることで、生涯を振り返るストーリーにまとめられる仕組み。
また、「GreyMatters」には、年代ごとに政治や娯楽、文化などの変遷を整理したコンテンツが予めインストールされているほか、iTunesライブラリからお気に入りの楽曲を集めた再生リストを作成することもできる。
さらに、認知症患者が「GreyMatters」で昔の写真や音楽を楽しむ姿を、その場で動画撮影し、離れて暮らす家族に共有できる機能が備わっているのも特徴だ。
・iPad専用アプリとして無料でダウンロード可能
「GreyMatters」は、現在、iPad専用アプリとしてリリースされており、無料でダウンロード可能。
認知症患者や、その介護者、家族の生活をよりよいものへと改善させるツールとしてのみならず、若い孫と祖父母との世代を超えたコミュニケーションツールとしても活用できそうだ。(文 松岡由希子)
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