台湾出身のデザイナーであるチウ・ジェンシェン氏が、英ロンドンの美術系大学院大学「ロイヤル・カレッジ・オブ・アート」の修士課程に在学中、開発した。
・ユーザーのフィットネス履歴に応じて植物に水や光を与える
「Phabit」では、まず、フェイスブックもしくはグーグルのアカウントと連携させて専用フィットネスアプリにログインし、さらにいくつかのアンケートに答えることで、ユーザーの基本的な性格やライフスタイルを分析し、健康面での課題を抽出。
課題をもとに目標を設定すると、スマートフォンのGPS機能や、ランニングアプリ、万歩計アプリなど、他のフィットネスアプリなどを通じて、ユーザーの行動をモニタリングする。
また、専用フィットネスアプリは、試験管に似た形状のスマート植木鉢と連携しており、ユーザーの行動履歴データは、スマート植木鉢が植物に水や人工光を与えるためのエネルギーに変換される仕組み。
つまり、健康づくりのための運動を怠るとやがて植物が弱っていく一方、運動習慣をきちんと身につけ、健康的な生活を送るにつれて、植物は元気に成長していくというわけだ。
・「植物を枯らしたくない」という思いを健康的な生活習慣の動機付けに
私たち人間は、植物を枯らしてしまうと、多少なりとも罪悪感を持つもの。
デジタル環境だけで完結するフィットネスアプリが多いなか、「Phabit」は、植物という“リアルな生き物”をあえて介在させることで、ちょっとしたヒトの罪悪感を利用し、ユーザーに健康的な生活習慣を身につけさせようとしている点が秀逸といえるだろう。(文 松岡由希子)
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