ニューヨーク近代美術館(MoMA)にて販売予定のスマート望遠鏡は、従来の望遠鏡の常識を覆すような代物だ。
フランスの企業、Vaonisによって設計・開発された「Stellina」は、望遠鏡というよりもSF映画に出てくるロボットのような外見。
Stellinaのどこがそんなにスマートなのか、その機能をチェックしていこう。
・セッティングは簡単な設置とアプリの起動だけ
Stellinaはロケーションに応じた事前調整をすべて自動でおこなってくれる。このため、セットアップがほとんど不要で、従来のハイテク望遠鏡のように調整の知識も時間も必要ない。
そして驚くべきことに、洗練された長方形のボディには、宇宙を覗くためのレンズは見当たらない。
実はこの望遠鏡、レンズを直接覗くのではなく、スマートフォンやタブレットの画面から天体観測を行うのだ。
アプリを使用して観測対象を選択すると、Stellinaが自動的にそれを見つけて追跡してくれる。 たとえば、スマホ画面上で美しい銀河を見つけたら、観測するためにやることはこれをタッチし、画面を見ているだけ。
サイズはバックパック程度のコンパクトなもので重さは7kg。バッテリーは10時間もつ。
・天体や銀河を撮影してシェアできる
Stellinaは、銀河、星雲、星団などはるかかなたにあるものをアプリから簡単に撮影してシェアできる。また、比較的近くにある太陽系の惑星や月をじっくり観測するのにも向いているだろう。
もちろん日食などのイベントでも活躍し、望遠鏡を覗いていなくてもよいため長時間でも観測できる。
唯一の欠点は、スマホを利用するため電波やWi-Fiがない環境では使えないこと。山奥など、天体観測にとって絶好のロケーションでは電波もネットもないことはよくあるが、そういったユースケースは想定されていないようだ。
とはいえ、設定から追跡まですべてやってくれるこの望遠鏡は初心者にとって最適。StellinaはニューヨークのMoMA Design Storeで5月10日に販売され、価格は2999ドル(約32万円)となっている。
参照元:This Smart Telescope for Newbies Looks Like a Sci-Fi Space Robot/Space.com
Vaonis