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ヒトの器官を模した人工組織をつなぐマイクロ流体プラットフォームをMITが開発

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究プロジェクトは、2018年3月、最大10器官の組織をつなぐマイクロ流体プラットフォーム「Body on a chip」の開発に成功した。

開発初期の新薬の有効性と安全性を調べる、いわゆる“前臨床試験”での活用が期待されている。

・薬効をより正確に速く評価できるプラットフォーム


従来、新薬の開発においては、ヒトの臨床実験を行う前に、マウスやラットなどの動物を用いて、その薬効や毒性が評価されてきた。

しかしながら、新薬の開発や疾病の研究に必要となるすべてをこれらの動物が示すとは限らず、動物では効果が認められた新薬がヒトの臨床実験では機能しないケースも少なくない。

そこで、研究プロジェクトでは、薬効をより正確に速く調べるためのプラットフォームとして、ヒトの器官の機能を模した人工組織を培養し、相互に作用させあうことのできる「Body on a chip」を開発。

肝臓や肺、腸、脳、心臓、皮膚、骨格筋などの組織を置き、流体を流し込んだ上で、薬を拡散させ、それぞれの組織にもたらす作用や代謝プロセスなどを調べる仕組みだ。

・免疫療法の評価にも応用可能


「Body on a chip」は、複雑な薬の副作用が正しく予測できるのみならず、ヒトの免疫システムと作用し合うよう設計されているため、動物では実験しづらい、抗体医薬品やその他の免疫療法の評価にも活用できるのが利点。

研究プロジェクトでは、「Body on a chip」の成果を活かし、今後、「腸内のバクテリアがパーキンソン病の進行に影響を及ぼしているのではないか」との仮説のもと、脳、肝臓、胃腸組織を含むパーキンソン病のモデルシステムの構築をすすめていく方針だ。(文 松岡由希子)

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