最近は蓄電技術が向上してきて、その欠点がカバーされつつあるが、それでも安定発電できるに越したことはない。そうした要望に応えるハイブリッド太陽電池が中国で開発中だ。なんと、太陽光でも雨でも発電できるというものだ。
・フィルム摩擦で発電
光のエネルギーを電力に交換する太陽光発電はすでに確立された技術だが、雨でも発電するという新技術を組み合わせているのがポイントだ。
発表によると、開発中のハイブリッド太陽電池では摩擦電気ナノ発電を採用している。雨水が落ちた時に、電池に搭載した2枚のポリマーフィルムで摩擦が起き、それをもとに発電する。
・コンセプト実証
研究チームが行なった実証実験では、ショートサーキット電流のピークは33nA。オープンサーキットのピークボルテージは2.14Vだった。
この数字は決して大きいものではないが、コンセプトを実証したという点で大きな意味を持つ。実用化はまだ先の話だが、研究チームは今後、装置の小型化など改良を重ねることにしていて、天気に左右されずに発電できるソーラーパネルが近い将来登場するかもしれない。
研究論文は米国化学会(ACS)の専門誌「NANO」で発表された。
ACS