そんなAppleも2020年にはARヘッドセットのリリースが噂されているが、これに向けて着々と準備を進めていることを匂わせる特許出願が明らかになった。
特許はディスプレイ更新に関するもので、クオリティの高い映像をリアルタイムで作り出す際に重要となる。Appleの申請するAR/VRヘッドセットの開発に役立つ技術についてみていこう。
・変化のあるセクションだけを更新
リアリティがある映像を作り出すには、ディスプレイが高解像度、高フレームレートで動作する必要がある。
ただ、画面上のすべてのピクセルを更新し、イメージを調整する方法では、解像度やリフレッシュレートが高いほど、電気信号の変換のプロセスで画質が損なわれる頻度も高くなるだろう。
Appleが申請した特許では、画面上のすべてのピクセルを更新するノーマルスキャンモードと、画面の一部のみを更新する部分スキャンモードを扱っている。
部分スキャンモードでは、画面を複数のセクションに分割し、動きのないセクションは更新しない。ユーザーの見ている部分で変化のあるセクションのみを更新することで、より自然な映像を作り出すとのこと。
・部分スキャン技術はARヘッドセットで有用
Appleは昨年11月にはARヘッドセットのスタートアップ、Vrvanaを買収している。Vrvana開発のデバイス「Totem」では、周辺情報をスキャンしてディスプレイに投影。ARやMRのための映像を作り出すものだ。
ARやMRでは映し出される現実世界の領域に変化が少ないため、ほとんどの場面で画面の更新は一部分だけで十分だろう。まさに部分スキャン技術が役立つ領域だといえる。
この技術は、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイなどで幅広く活用できて、ARヘッドセットをAppleの求める完成度に近づけるに違いない。
参照元:Pair of Apple patent applications describe partial display updates for VR and AR headsets/appeinsider
Vrvana