そんな同社が新たに立ち上げたのが、「家庭教師のレコンズ」。授業を受けたい生徒と、家庭教師になりたい人をマッチング。指導実績や得意とする教科、希望自給や趣味の事前閲覧が可能。理想の家庭教師を見つけるにはもってこいの、CtoCサービスだ。
近年、ますます深刻化する教育格差問題。解決に向けて、同社はこれからどのような取り組みをしていくのだろうか。代表取締役社長の石井 貴基(いしい たかき)氏に、話を聞いた。
・教師との直接契約で支払い負担を軽減
Q1:従来の家庭教師派遣サービスとの違いは、どこにあるのでしょうか。
「家庭教師のレコンズ」は、CtoCマッチングプラットフォームの形式をとっており、理想の教師を適切な授業料で雇うことができます。
一般的な家庭教師派遣会社では、ご家庭が負担する授業料のうち、50〜60パーセントが、派遣会社に支払う手数料(※自社調べ)になります。レコンズの場合、家庭と家庭教師が直接契約できるため、手数料を約20%程度まで下げることが可能です。つまり、ご家庭の授業料負担を軽減しながら、教師の収入アップも実現するわけです。
さらに今後は自宅に限らず、勉強可能なカフェでも、授業を受けられるようにする予定です。
Q2:教師として登録する際、何か基準はあるのでしょうか。審査などありましたら、その条件を教えてください。
基準はありませんが、安心・安全に利用してもらえるよう、学生証や身分証明書などで、必ず本人確認を行います。教師の質に関しても、心配いりません。運営元の弊社が、Z会や栄光ゼミナールなどで長年培った指導ノウハウを生かし、教師の指導サポートをする予定です。
利用家庭のレビューによる「授業満足度」を表示する仕組みもあり、評価の高い教師や低い教師などが、ひと目でわかるようになっています。
・夢は大学進学支援
Q3:今、日本で広がりつつある教育格差。これをなくすために社会がなすべきことは、何だと思われますか?
オンライン学習塾という立場から、教育の選択肢を増やし、機会をできる限り平等に与えてあげることが、大事だと思います。「家庭教師のレコンズ」も、また私たちが同じく運営するオンライン学習塾のアオイゼミも、ITの力を借りて教育の質を維持しつつ、サービスを低価格で提供しています。
(将来的には)「子どもがどのような環境に置かれていても、本人の自助努力によって、自分の未来を切り開いていける世界」の実現をめざします。
Q4:今後の展開について、教えてください。
今は春のサービススタートに向けて、全力で準備中ですが、(将来の目標として)海外展開も検討中です。Z会グループの強みである指導ノウハウを生かし、マッチングプラットフォームとしてのオペレーションを磨いていけば、十分に実現可能だと思われます。
また、これはあくまで夢に近いのですが、「奨学金制度」ができればよいな、と考えています。「この大学なら、4年間でこのくらい稼げる」みたいなデータがたまったら、新聞奨学金のように奨学金を出して、大学進学支援をしていきたいですね。
新学期を前に、学習手段を検討している家庭も多くあるだろう。まだ決めかねているなら本サービスも、選択肢に入れてみてはいかがだろうか。教育問題に真っ向から立ち向かう企業の真摯な姿勢は、一考に値する。(取材・文 乾 雅美)
家庭教師のレコンズ