次世代Apple Watchにも血圧測定機能が搭載されるかも…との噂はご存じかもしれない。適宜血圧を測定しておくことで、脳梗塞や心筋梗塞の予防に努められる。
現在市場に出まわっている小型軽量の血圧計は、たとえば心臓付近と手首にセンサーを設置して血圧を割り出すといった、脈拍伝搬時間による測定をおこなうものが大半。こういったタイプの血圧計では定期的に標準となる血圧の修正をかける必要があるのが難点だ。
今回、ミシガン州立大学とメリーランド大学の研究者らは、スマートフォンに組み込めて指で押すだけで使える血圧計の開発に成功した。
・プッシュで発生する動脈の圧力を測定
新たに開発された血圧計は、血流量の変化を測定するフォトプレチスモグラフィ(PPG)および圧力を測定する薄膜トランスデューサといった2つの主要な部品で構成されたセンサーを埋め込んでいる。
PPGに関してはApple Watchを始め、心拍測定機能を搭載したさまざまなウェアラブルデバイスにすでに組み込まれているもので、光を照射して光吸収の変化から心拍を測定する。
指でセンサーを押すことで、ちょうど標準的な血圧計でカフ(腕や指に巻くバンド)が圧迫するよな具合で動脈に外圧を発生させる。この圧力をもとにアルゴリズムにより正確な血圧を計算する仕組みだ。
・医療機器なみの精度で血圧をチェック
血圧を測定する際は、スマートフォン裏面に設置されたセンサーに指定された向きで指を置き、画面を見ながらガイドに従った強さで押し続ける。
腕に巻いておくだけとはいかないようだが、検証ではユーザーの約90%が、2回の試行後に正しい使い方ができるようになったとのことで、それほど難しい手順ではないだろう。
また測定された血圧は、ハイエンドな指式血圧計と結果が一致し、米国医療器具開発協会(AAMI)の基準にも適合していたとのこと。
普段持ち歩くスマートフォンに血圧計が搭載されれば、状況に合わせて自分の血圧が測定できるようになり、誰もが血圧のマネジメントを意識できるようになるだろう。
参照元:New Smartphone Sensor Checks Your Blood Pressure/IEEE Spectrum