・医療機関がUberの配車サービスで患者を送迎させる
コミュニティ交通を推進する米非営利組織「CTAA」によると、米国では、1年間に360万人の患者が、診療予約があるにもかかわらず、交通手段が乏しいために受診できず、これによって、年間1500億ドル(約15兆9000億円)のコストがかかっているという。
そこで、「Uber Health」では、病院や診療所、リハビリセンターなどの医療機関が、集中管理型の専用ダッシュボードで事前に配車を予約し、患者やその介護者を送迎させるのが特徴。
一般ユーザーが「Uber」を利用する際は、公式アプリをスマートフォンにダウンロードする必要があるが、「Uber Health」では、患者がスマートフォンを持っている必要はなく、テキストメッセージのほか、携帯電話や固定電話による通話で、担当ドライバーと連絡をとる仕組みとなっている。
医療機関では、専用ダッシュボードを介して、移動状況や経路履歴を追跡したり、1ヶ月ごとの利用料金や予約履歴などをまとめて閲覧することが可能だ。
・Uberが医療へのアクセシビリティ向上に貢献!?
「Uber Health」は、正式リリースに先立ち、これまでに、メリーランド州を拠点とする医療グループ「MedStar Health」やニューヨーク大学パールマターがんセンターなど、米国の100カ所以上の医療機関で試験的に運用されている。
「Uber Health」は、オンデマンド配車サービスの実績とノウハウを応用し、医療へのアクセシビリティを改善しようとしている点が秀逸といえるだろう。(文 松岡由希子)
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