提供元は、2016年設立のDO THE SAMURAI。先月末に、日本初のソーシャルエンジェル出資による資金調達を実施。時代を先読みするビジネス展開にも、注目したいところだ。
取材に応じてくれたのは、東大出身の代表取締役、吉田 亮(よしだ りょう)氏。日本文化にかける熱い思いが、言葉の端々から伝わってくる。
・すべてのユーザーとやり取りし、好感触を実感
Q1:まずはさかのぼって、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
東京大学在学中の5年前から、「日本の文化や歴史に'楽しく'触れるきっかけを作ろう」というコンセプトの下、神社ツアーを実施したり、お寺でイベントを開いていました。住職さんや神主さんには、「若い人の参拝者を増やしたい」という悩みがあります。同時に、僕のツアーに参加するほど、神社やお寺を求めている人が、多くいることも強く感じていました。
そこで、「参拝者を増やしたい神社お寺」と「お参りしたい一般の方々」のご縁を紡ぐため、神社お寺の投稿サイト「ホトカミ」を提供することにしたのです。
Q2:サービスリリースから、そろそろ1年になります。ユーザーからの反響はいかがなものでしょうか?
私は、1万1000以上におよぶすべての投稿に、目を通しています。全ユーザーとメールのやりとりもし、直接その声を聞いています。
「ホトカミ」や神社お寺に対する思いを、長文で書いてくれるユーザーは、多数おります。「お参りの記録を簡単に残せて便利」「宮司さんや住職さんへのインタビュー記事を通して、神社お寺に対する親近感が増した」など、さまざまなコメントを頂戴しております。
有名な観光地の神社仏閣だけでなく、その地域に根ざした情報も、ユーザーに喜ばれています。やはり、地元の神社やお寺を大切に思っている人が多いのでしょう。「日本最大14万5000以上の神社お寺のデータベースを作ってよかった」と、実感しております。
・さまざまな角度から神社お寺をサポートしたい
Q3:今回、また新たに資金調達を実施されております。これによってサービスは、どのように変わるのでしょうか。
今回は、エグジットを前提としない、日本初のソーシャルエンジェル出資という、共感をベースにした仕組みで、約1億円の資金を調達しました。エグジットを前提としないので、結果を出すまでの期限があるわけでもなく、これまでとサービスが大きく変わることはありません。
(資金調達によって)長期的に神社やお寺を支えていくサービス運営を、じっくりとやっていきます。その中で、いい人と出会えたら、ウェブエンジニア、デザイナー、ライター、インターンを増やしたいし、そういう仲間が増えたらいいな、とも思っています。
Q4:今後の展開について、教えてください。
これまでの「ホトカミ」は、一般ユーザーのみの登録でしたが、3月からは、“神社お寺公式アカウント”を始動します。神社お寺側からも、「ホトカミ」内で積極的に情報を発信してもらうようにする制度で、完全無料です。
また、お参りに関する記事コンテンツを充実させ、サービスに深みを出すつもりです。より便利で使いやすいサービスにできるよう、エンジニア・デザイナー陣で、アップデートを続けていきます。(中略)いずれにせよ、「神社お寺と人々のご縁を紡ぐ」ということを軸に、さまざまな角度から、神社お寺をサポートしていきたいですね。
(取材・文 乾 雅美)
神社お寺の投稿サイト ホトカミ