・切り紙の手法を応用し、ヘビのように前進するソフトロボットを開発
このソフトロボットは、日本でも古くから伝わる“切り紙”の手法を応用することで、ヘビの鱗に似た機能をソフトロボットの表面に実装しているのが特徴だ。
レーザーカッターを使って数センチ単位の切り込みを入れたプラスチックシートに、空気によって膨張したり収縮するアクチュエーター(作動装置)を包むというシンプルな構造。
アクチュエータが膨張すると、切り込み部分が飛び出して、ヘビの腹板のように地面をつかみ、収縮すると、切り込み部分が折り畳まれ、前方に推進する仕組みだ。
研究プロジェクトでは、三角形や円形、台形など、様々な“切り紙”を試してみた結果、とりわけ、ヘビの鱗に最も似た台形の切り込みは、歩幅が長いことがわかったという。
・ソフトロボットの開発がより簡単に安く早くなる!?
一般に、自律型ソフトロボットの歩行には、独立して作動する複数のアクチュエーターが必要だ。
この研究成果について、論文の筆頭著者であるカティア・バートルディ(Katia Bertoldi)は、「“切り紙”を応用したこの手法は、ソフトロボットの設計に新たな道をひらくものだ」と述べている。
この手法により、より簡単かつ安く、早く、ソフトロボットを開発できるようになれば、医療から、深海探査、災害現場での捜索まで、様々な分野で、ソフトロボットの活用が広がりそうだ。(文 松岡由希子)
Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences