・ネオジムの使用量を従来の半分に削減
開発の背景にあるのは、2025年から大幅に需要が予測されるネオジム。自動車のモーターに使用する磁石は、高温でも磁力を高く保たなければならない。当然そこには、レアアースの存在が必要不可欠となる。
従来はネオジム磁石のために、テルビウムやディスプロシウムを添加して磁力を維持してきたが、前述の2元素は希少価値が高い上、高額というデメリットがある。ただでさえその状況なのに、各メーカーがこぞって電気自動車製造に乗り出せば、材料不足になること必至だ。
そこで同社が目をつけたのが、レアアースの中でも安価なランタンとセリウムだ。これらを使うことで、ネオジムの使用量を半分に削減。高価で希少価値の高い、テルビウムやジスプロシウムを使わずに、高い耐熱性を維持することに成功した。
・多彩な製品に展開可能
同社には、この耐熱磁石を自動車のみならず、ロボットなどさまざまな製品に採用したい、という考えがある。技術が浸透すれば、貴重なレアアースの供給バランスを、一定に保つこともできるだろう。商品化に向けて、まだまだ開発は続く模様。進化に期待したい。
souce by industryweek.com