2018年1月31日、学術雑誌「International Journal of Pharmaceutics」にその研究論文を発表した。
・医薬品の成分を“インク”としてQRコードで印刷
この共同研究プロジェクトでは、医薬品の有効成分を“インク”とし、QRコードを白い食用素材に印刷。
従来の画一的な大量生産による医薬品と異なり、患者ごとに必要な薬の量を調整してオンデマンドに近いタイミングで製造できるのが利点だ。
また、QRコードには、患者名のほか、医薬品の情報や服用方法、使用期限、製造業者の情報などのデータが保存され、スマートフォンでこれを読み取ると、スマートフォンの画面上に、これらのデータが瞬時に表示される仕組み。
誤投薬や偽造薬から患者を保護する、医薬品の新たな製造方法として、注目されている。
・医薬品を患者ごとにカスタマイズできる時代に!?
共同研究プロジェクトの一員でもあるコペンハーゲン大学のJukka Rantanen(ユッカ・ランタネン)教授は、「この製造方法を比較的シンプルなプリンターに適用できれば、患者ごとにカスタマイズした医薬品の製造を実現でき、従来のサプライチェーンを揺るがすものとなるだろう」と述べている。
共同研究プロジェクトでは、今回の研究成果をもとに、さらに、この製造方法を研きあげていきたい方針だ。(文 松岡由希子)
Københavns Universitet