そこで活用したいのが、この「EventHub(イベントハブ)」だ。「イベントでのつながりを増やす」をコンセプトに開発された本サービス。参加者同士のビジネスマッチング(ネットワーキング)を行うと同時に、商談の機会を増やすというもの。参加者・出展社の検索から、「会いたい」申請の送信、面談時間の提案まで一括で実行する、ビジネスマン必携のアプリだ。
提供元のEventHub社は、創業時からイベントを対象とするサービスを手がけてきた企業。代表取締役の山本理恵(やまもと りえ)氏に、早速詳しい話を聞いた。
・イベントでのビジネスネットワーキングを加速化
Q1:まずはさかのぼって、「EventHub」提供のきっかけから、お聞かせください。
20年以上海外で過ごした私には帰国後、日本と海外のビジネスパーソンをつなぐ“橋渡し”をする機会が、多くありました。(そうした経験から)より多くのビジネスパーソンに、商談の機会を提供したいと考えるようになりました。そこから、イベントにフォーカスしたビジネスマッチングサービスを思いついたのです。
共同創業者で技術者の井関にはもともと、(男女の)マッチングアプリを開発した経験があります。それで、今のようなプロダクトの形に至りました。
Q2:「EventHub」のターゲット層は、どのような人たちなのでしょうか?また、本サービスを利用することで、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか。
「EventHub」を導入するターゲット層は、ビジネスカンファレンスや展示会の主催者です。実際に利用するのは、それらに参加している来場者や出展企業、協賛企業になります。
イベント主催者は、商談機会を提供することで、来場者・出展社の満足度向上を得られますし、来場者・出展社ニーズのデータ抽出も可能です。来場者・出展社には、より多くの商談やビジネスの機会を創出します。
・昨夏のソフトローンチ以来多くのイベントで導入
Q3:今回晴れて本格始動となりましたが、それまでにどのような経緯をたどったのでしょうか。ユーザー、企業からの反響も交えて、お聞かせください。
2017年夏にソフトローンチし、これまでに「TechCrunch Tokyo」「Embedded & IoT Technology」「国際会議STSフォーラム」などのイベントで、利用していただきました。
1200名規模のキャリアカンファレンスでは、このうちの1000名が利用しています。ここでは、3100件のメッセージがやり取りされ、750件の商談が生まれました。アジアの教育カンファレンスで導入したときは、来場者から「『EventHub』のおかげで、朝から晩まで商談できた」など、好意的な意見を頂戴しています。
Q4:「EventHub」は今後、どんなサービスに育っていくのでしょうか。未来の展望をお聞かせください。
イベントに参加している来場者や出展社が、たまたま会場で出会った人と名刺交換をするのではなく、参加目的に見合う相手を探し、会場で出会えるようになる。商談の量より質を高め、より価値のある商談や、ネットワーキングができるように致します。
(目標として)今後5年間で、1万イベントへの導入をめざします。ビジネスパーソンがイベントに参加する際は、スマホ片手に「EventHub」を使いながら、ビジネスの機会を作る。そんな世界を実現したい、と思っています。
(取材・文 乾 雅美)
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