そして現在、イスラエルのスタートアップ「Healthy.io」が手がけているのは、スマホを使った尿検査の技術。感染症や腎疾患、膀胱がんなどの発見が可能という。
・試驗紙をスキャン
尿検査にスマホをどう活用するのか、と首をひねる読者もいるかと思う。検査方法は至ってシンプルだ。まず、病院などで行う検査と同じようにカップに採尿する。そしてスティック状の試験紙をカップに浸け、カラーボードに置く。
待つこと60秒。アプリのカウントに従い、最後にスティックとカラーボードをスマホのカメラでスキャンする。すると、そのデータがクラウドに送られ分析されるという仕組みだ。
・妊婦の健康管理にも
分析される項目は、ケトン体、白血球、亜硝酸塩、ブドウ糖、タンパク質、血液、pHなど。これにより、感染症や慢性疾患などが判別でき、また妊婦が妊娠中毒症などにかかっていないかなどの健康管理にも活用できるという。
この検査技術は最近のスマホの高機能化が支えていて、開発元によると、色認識、人工知能、コンピュータービジョンなどが使われ、精度は医療機関での試験とほぼ同じとのこと。
・米国で臨床認可待ち
Healthy.ioはすでに欧州での販売許可を取得し、米国では臨床の認証を待っている段階。健康な人が“お試し”的に使うのではなく、すでに疾患を抱え、定期的に尿検査を受ける必要がある人を対象としている。
実用化されれば、わざわざ尿検査のために医療機関に足を運ぶという患者の負担が軽減され、QOLの向上につながりそうだ。
Healthy.io