このフィルムは透明で、建物の窓や車の屋根、そして携帯電話などのディスプレーに装着して使うことを想定している。UCLAの発表によると、このフィルムで太陽エネルギーを吸収して電気に変える効率は7.3%。屋根などに設置されているソーラーパネルの15−20%という数字には劣るが、UCLAがこれまでに開発したフィルムの効率は4%だったことを考えると、大きく改善したといえる。赤外線を吸収しやすいポリマーを使用したフィルムを2枚重ねることで、赤外線吸収率が高くなったという。この分野では他の大学も研究開発を進めていて、マサチューセッツ工科大学のフィルムの電気変換率は2%という。
太陽光発電というと、建物の屋上や屋根に設置された大きなパネルが頭に浮かぶが、研究者は「このフィルムの登場で太陽光発電は新たなステージを迎えることになるのでは」と期待する。住宅やオフィスビルの窓、そしてまた携帯端末のスクリーンをソーラーパネルに早変わりさせることができるとふんでいる。クリーンで、しかも懐にも優しいこのテクノロジー、実用化される日が待ち遠しい。
UCLA