そんな中、ユニークな試みを発表したのが、かのニューヨーク・タイムス。来週に迫ったピョンチャンオリンピックを、ARで報道しようというものだ。
・4回転ジャンプを間近で
ARの特長は、現実世界で人が感知できる情報に、別の情報を加えることで、拡張表現できるところ。そこが空想世界を作り上げるVRとは、大きく異なる。いろいろな考え方があるが、日常生活に密接したサービスを提供するなら、ARのほうが断然有利だろう。その点、日々の情報を市民に届ける新聞はぴったりだ。
オリンピック開催にあたってニューヨーク・タイムズが実践するのは、より立体的な報道だという。迫力ある映像体験を提供することで、平面では得られない感動と興奮を与えよう、というのが今回の狙いだ。例えば、フィギュアスケート。4回転ジャンプで宙に上がった瞬間を、自宅のリビングルームで間近に見ることができる。
・まずは試験映像を体験
同社では本格的なAR報道を前に、まず試験的な映像を配信するという。素材は、ニューヨーク・タイムズ伝統の新聞販売ボックス。かつて1万3000か所に設置されていたボックスも、今はわずか30。試験映像では、この“名誉の箱”を、スマートフォンアプリを介して、じっくり観察できるようになっている。対応機種は、iPhone SE、iPhone 6S以降、第5世代のiPadまたはiPad Pro。“ニューヨーク・タイムスアプリ”の最新バージョンをダウンロードするだけで、誰でも簡単に見ることができる。
かつて情報メディアの頂点を極めた新聞も、今はインターネットに押され気味。ARの導入によって、新たな輝きを得られるか、注目したいところだ。
souce by NY Times.com