しかし、米食糧メジャーのCargillがこのほど発表したのは、かなり意外な活用法。なんと、牛の個体識別に顔認証を活用するというもの。それぞれの牛がどれくらい餌を食べて水を飲んでいるかなどを管理するのに役立てるという。
・模様や色を手がかりに
Cargillと、マシンビジョンを手がけるCainthusが業務提携し、酪農家のためのAIシステムを開発すると発表した。
牛の顔認証って?と思う読者もいるかと思う。基本的に人間同様、牛もそれぞれ顔が異なる。それから、模様や色の違いもある。それらを材料に、人工知能を使って判別するのだという。
発表によると、わずか数秒でその個体の特徴を取り込み、識別できるようになるとのこと。
・効率的な飼育へ
使い方はというと、カメラを設置し、個体を識別しながら異常な行動はみられないか、どれくらい餌や水を摂取しているかなどをコンピューターでモニターする。
そうしたデータを分析することでどれくらいの餌だと搾乳量が増えるかといったことがわかり、効率的な飼育につなげられるのだという。また、このシステムでは牛が発熱していないかどうかチェックできるので、健康管理にも役立つ。
・豚や鶏への応用も
両社は当面、牛にフォーカスしてシステム開発を進め、いずれは豚や鶏など他の家畜にも広げていきたい考え。
米国だけでなく先進国では一次産業の担い手は減るばかりという厳しい現状がある。このシステムはそうした人手不足を補うものになるのかもしれない。
Cargill Press release