市場での需要と供給のバランスによって価格が決まる株価のようなメカニズムを、世界で初めて、フードデリバリーの分野に応用したことで、人気を集めている。
・需給バランスに応じてメニューの価格がリアルタイムで変動
オンデマンド型配車サービス「Uber」が混雑状況に応じて価格を変動させる「サージ・プライシング」方式を導入するなど、サービス業界の一部では、需給バランスに応じて価格をリアルタイムで調整する仕組みが導入されはじめている。
「Gebni」は、独自の機械学習アルゴリズムが需要を分析し、飲食店の売上拡大や利益の最適化をはかりながら、消費者にとってお得な価格をリアルタイムで自動的に調整するのが特徴。
たとえば、飲食店の閑散時間帯には、売上を増やすため、メニューの価格を大幅に割引するといった仕組みだ。
「Gebni」では、価格変動モデルを導入することで、一般的に割高感のあるフードデリバリーサービスを、価格に敏感な消費者層にも届きやすくし、飲食店の売上拡大や利益増につなげながら、飲食店での食料廃棄量の軽減にも寄与することを狙いとしている。
・米国のフードデリバリー市場は拡大傾向
米国の金融機関グループ「モルガン・スタンレー」では、米国のオンラインフードデリバリーサービスの市場規模が、2016年時点の60億ドル(約6600億円)から2021年には190億ドル(約2兆900億円)にまで拡大すると予測。
「Seamless」や「Grubhub」、「Uber Eats」など、先行する競合サービスとの厳しい市場競争において、「Gebni」が、独自の価格変動モデルを活かし、どのように事業を展開していくのか、注目される。(文 松岡由希子)
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