
・3Dプリントで実現した“規格外の楽器”

7歳からバイオリンを習っているライリー氏は、名門ジュリアード・スクールで学士号と修士号を取得した音楽の才人。チャールズ皇太子の65歳の誕生日に、演奏を披露したこともある。
そんな彼が恋い焦がれるのが、世界で最も偉大な作曲家と評されるジョン・アダムスの“the dharma at big sur.”という曲。信じられないほど複雑な構成に惹かれたライリー氏は、同時に4本の弦でこの曲を演奏するのは難しいと判断。6弦バイオリンの製作を決意する。
・完成したバイオリンによるリサイタルも決定

その後、美術大学の学生で彫刻家でもあるレベッカ・ミルトン氏の協力を得て、デザインが決定。ファウンドリー内の3Dプリンターを使い、1年の歳月をかけて、念願の楽器を完成させた。
バイオリンの音は、手作りの部品を専門とするニューヨークの会社へ、ライリー氏が注文したエレクトリック・バイオリンのピックアップ。これを、本体のブリッジ領域に取り付け、ストリングの振動をデジタル信号に変換することで、共鳴を増幅している。
その精度は高く、発案者のライリー氏もいたくご満悦の様子。今月22日に、初のリサイタルを行う予定だ。不可能と称される夢も、テクノロジーによって実現する時代。あっと驚くような楽器が、これからもどんどん世に出てくるだろう。
souce by UT News