撮影後に焦点の調整が可能な「Lytro」や「Light L16」など、いくつものセンサーによる情報と、それに紐づいた画像を処理するものもそうだが、膨大な画素にものをいわせて風景を映すのではない方法で、モノを捉える技術にもイノベーションが起こっている。
・複数のパターンから画像を生成する単一画素イメージングシステム
一般的なカメラは、無数の画素に光景を映し出そうとするのに対し、単一画素イメージングシステムでは、異なるパターンで光景を切り取ったものを単一画素で捉えて、これらから導き出される関連性をもとに、ひとつの画像を生成する。
単一画素に映し出されたひとつひとつのパターンからはなんの情報も得られないように思えるが、連続する無数のパターンを計算処理で補い融合することで、いままで捉えられなかった様々なものが写せるようになるのだ。
例えば、濃い霧の向こうや雪の下に埋もれたものまでが、この技術を通して撮影できるという。
・光子を捉えるカメラ
グラスゴー大学などが開発する単一画素イメージングシステムでは、複数のパターンを作り出すのにランダム化された光を活用する方法が採用されているが、これは異なるパターンの切り取り方の最もシンプルな一例にすぎない。
ヘリオット・ワット大学が開発する、光子1個ずつを捉えるカメラと量子イメージング技術では、極めて低いレベルの光が捉えられ、1秒あたり1兆フレームの撮影ができる。
床に照射したレーザーがモノにあたって跳ね返ってくる光子を撮影し分析することで、死角になっているモノまで捉えることができるとのこと。
ハッブル宇宙望遠鏡が、異なる波長で撮影された多くの画像を計算処理にてつなぎ合わせ、我々が今まで見たことのなかった世界を見せてくれるように、これらの手法を発展させることで、カメラに捉えられる世界が格段に広がることだろう。
参考元:The next camera revolution could let us see through walls and deep inside the brain/TheNextWeb