しかし、NASA(アメリカ航空宇宙局)がこのほど実施したのは、まっすぐな主翼の先の角度を飛行中に変えるテストフライト。より速く飛行でき、燃費アップも期待できるという。
・上下に70度曲がる!
この技術はSAW(Spanwise Adaptive Wing)と呼ばれる。翼を飛行中に曲げるという発想そのものは新しいものではないが、重い油圧システムなどを搭載する必要があった。
しかしNASAは油圧システムの代わりに形状記憶合金を採用。温めると自動で曲がる動きが始まるようになっていて、これにより翼を上下に70度曲げることができるのだという。
・3分で翼を折り曲げ
開発チームによると、フライトの途中で翼を曲げることで抗力を減らし、効率的に超音速スピードで飛ぶことができるとのこと。
今回行ったテストでは1回目のフライトで翼を下方に、2回目のフライトで上方に曲げることに成功した。折り曲げるのにかかった時間は3分。
しかし現在の技術では飛行中に一つの方向にしか翼を曲げられないため、今後はフライト中に上下どちらにも曲げられるようにするのが課題だ。チームは装置の改良を進め、今夏にも再びテストフライトを行うことにしている。
NASA