その折り紙に最先端テクノロジーを加え、新たな芸術表現を開拓しようというプロジェクトがある。
伝統と最新の融合。日本の折り紙は時とともに進化している。
・無機EL技術を折り紙に導入
この折り紙は、無機EL技術を用いている。
蛍光材料の上に電極やフィルムを幾重にも重ねたもので、そこに電気を通す。するとその折り紙は発光するわけだが、肝心なのは「折り曲げることができる」という点だ。もちろん、ハサミで切ることも可能である。
だが、それだけをアピールしても一般層には受け入れられない。そこで切り絵作家の長屋明氏に協力を仰ぎ、「発光する切り絵」プロジェクトが始まった。
たとえば、仏像の切り絵を無機EL折り紙で制作する。その作品の電気を流すと、まさに後光を帯びた仏像が現れるというわけだ。
さて、「電気を流す」といっても折り紙に直接配線等をつなぐというわけではない。スマートフォンのワイヤレス充電器と同じ要領で、通電させた台座もしくは額縁の背面に折り紙を乗せれば発光する。両者が接触さえしていればいいという。そこから折り紙を切って加工することもできるそうだ。
・1点ものの切り絵作品も出展
クラウドファンディング「Makuake」のページには、光る折り鶴が1羽5000円の値で出展されている。
だが目玉は、長屋氏の手がけた光る切り絵である。こちらは折り鶴5羽とのセットで、16万円からの枠が出ている。
ただし、長屋氏の作品は量産が利くものではないため、どれも「1点もの」である。数量が本当に1点しかないのだ。じつを言うと、上記の16万円枠より安価なコースもあったのだが、そちらはすでに先約の出資者がついている。
まさに「早い者勝ち」の状態だ。
Makuake