今回ご紹介する「Btend(ビーテンド)」も、そうした現場の変化に対応して生まれたサービス。大学など各種教育機関における授業の効率化と、学習効果向上を目的に開発されたものだ。
提供元は、2016年設立のビーテンド。代表取締役の松本 尚宏(まつもと たかひろ)氏に、話を聞いた。
・出欠管理からアクティブラーニングまで多彩にサポート
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
私はこれまで、モバイルソリューションの開発に多く携わってきたのですが、その中で特に大きな可能性を感じたのが、近距離無線通信(Bluetooth)です。仕様のアップデートにより、近くのスマホ同士が容易に通信できるようになったので、人が集まる場所で、ぜひこの技術を生かしてみたい、と考えるようになりました。
折しも、仕事でおつきあいのある教育機関が、授業参加者の管理を課題にしておりました。そこへ2年前に、プロトタイプを作って持ち込んだのが始まりです。教室へ何度も出向いて検証を続けるうち、次世代につなぐ教育をITで変えていくことに、大きな意義を感じるようになったため、サービス提供に至りました。
Q2:「Btend」とは、どんなサービスなのでしょうか。仕組みや特長など、詳細について改めて教えてください。
GPSとBluetoothの併用によって端末の検出を行い、出欠管理を効率化するサービスで、スマートフォンアプリ(iOS, Android両対応)を活用しています。他にも、クリッカー、メッセージ、課題機能によって、授業中のアクティブ・ラーニングをサポートするなど、授業以外でのコミュニケーションも容易にします。
出欠確認時以外は、位置情報をオフにできますし、先生によるステータス操作は1タップで済みます。プライバシーを気にする学生や、スマホのバッテリー切れにも配慮して構築しました。
・コスト削減のメリットも
Q3:本サービスを導入することで、教育機関はどのようなメリットを得られるのでしょうか。
BYOD(先生や学生保有の端末機器)のため、設備投資コストが不要となります。クラウドサービスなので、大きなシステム投資も必要ありません。
登録は講師1人から可能で、テスト検証もすぐに実行できます。授業運営をスマート化し、アクティブにすることで、教員と学生の業務改善、満足度向上が狙えます。教育ビッグデータの収集基盤として、IR活動(Institutional Research)に役立てることもできます。
Q4:正式版リリースまでの展開について、教えてください。
ベータ版リリース直後から、多くのフィードバックをいただいています。出欠や各種データ取得用のAPIの要望を含め、既存のLMSとの連携機能は、早めに提供したい、と思っています。
今後の展開では、正式版という区切りなく、継続的な改善や新機能の提供を、積極的に試していきたい、と考えています。反転学習、ソーシャル学習、アダプティブ学習、人材マッチングなど、テーマはたくさんありますので、(サービスを育てながら)EdTechによる教育イノベーションの一翼を、担っていくつもりです。
「Btend」は、現在ベータ版として公開中。9月の正式版リリース(予定)まで、無料で利用できる。教育関係者で興味のある方、この機会に試してみてはいかがろうか。(取材・文 乾 雅美)
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