これと同様の働きを機械にさせようという試みが、スペインで進められている。便のにおいでクローン病と大腸炎を識別する「Moosy 32 eNose」だ。
・精度90%、深刻さも判断
ポリテクニック大学などの研究チームが、すでに445の便のサンプルで試験を実施した。それによると、クローン病と大腸炎を90%の精度で識別できたという。
判断に要する時間は3分。しかも、病気の深刻度まで表示するのだという。
・患者の負担減
研究チームの一人、Pilar Nos氏は「ヒトの代謝では生理学的なプロセスの中で揮発性有機物質がつくられ、体外に排出される。そうした成分の濃縮されたものは、例えば膀胱の病気などとは全く異なるマーカーとなる」と、話す。その違いを機械に判断してもらうというわけだ。
3分という判断の速さもさることながら、検査による患者の肉体的負担を軽減できるというメリットも大きい。
研究チームは今後、このマシーンのアルゴリズムの改良を行って精度アップを図るとともに、他の病気への応用も検討していくことにしている。
RUVID