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Start Up 【Interview】最短3分での商標登録出願!AI技術を活用したオンライン商標サービス「cotobox」がイノベーティブ

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【Interview】最短3分での商標登録出願!AI技術を活用したオンライン商標サービス「cotobox」がイノベーティブ

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多くのスタートアップがその重要性について理解しつつも、限られた人的リソースや手続きの煩雑さを理由に後回しになることが多い商標登録。

しかし、サービスを展開するにあたり、商標登録を済ませていないと後々思わぬトラブルを招くこともあるという。こうしたニーズを背景に、先日β版を公開した「Cotobox」が注目を集めている。AI技術を利用し、最短3分で商標登録出願の準備ができるオンラインサービスだ。

代表取締役の五味 和泰(ごみ・かずやす)氏は、国際特許事務所や自ら設立した事務所で知財実務に携わる一方で、アメリカのロースクールを修了した経歴の持ち主。今回、同氏にCotobox株式会社を創業した経緯や従来の商標申請の課題などを聞くことができた。

・アメリカでの出会いが課題解決のヒントに


Q1. まず、Cotoboxの開発をスタートさせようと思った、きっかけ、問題意識はどのようなものだったのでしょうか。
外部環境の大きな変化から3つの問題意識を感じ取りました。

1つ目は、新規ビジネスを開始するハードルは下がったにもかかわらず、知財サービスへのアクセスは相変わらず困難であること。その理由としては、弁理士の絶対数が少ないために出会う機会が少なく、しかも弁理士費用が高いことが挙げられます。

2つ目は、多くの起業家は創業後に直ちに自社Webサイトを立ち上げ、自社名、商品名、サービス名を世の中にさらしますが、それらのネーミングの90%は商標登録されていないことです。世の中に無防備なネーミングが周知されるので、法的なリスクが顕在化してしまいます。しかも、そもそも、商標登録の可能性が低いネーミングで事業を始める起業家がいます。その多くは、残念ながら、事業が軌道に乗ったときに気づき、渋々、ネーミングを変更する結果となっています。

3つ目は、ビジネスのスピードが早くなっているにもかかわらず、知財業務のスピードは20年前から進化していないことです。近年、オンラインで作業が数クリックで終わるサービスが増えてきていますが、従来ながらの商標申請作業は平均1ヶ月かかります。しかも、会社側も弁理士側もペーパーワークばかりです。

これらの課題について、2014年に米国ロースクールへ留学したとき、解決策が思い浮かびました。米国西海岸で、起業家気質の方々のミートアップに参加してみると、「ITで課題を解決しよう」と業界を問わずガシガシとプロダクトを作る熱量の高い起業家の卵に出会いました。その中には、リーガルサービスの民主化を目指す弁護士も多数いました。この出会いをきっかけに、悶々と感じていた課題を解決したいと思いが強くなり、Cotobox開発の実行に至りました。

Q2. Cotoboxを利用することで、商標出願を検討しているユーザーはどんなメリットが得られますか?
最大のメリットは、ビジネスのネーミングを思いついたその瞬間に、いつでも、どこからでも商標登録出願の申し込みができる点です。これを実現するために、商標登録の可能性についての簡易チェックを自動化するとともに、申し込みのための情報入力ステップについてはわかりやすくシンプルなUIを追求しました。テストユーザーの実証により、最短3分での商標登録出願の申し込みが可能となっています。

また、特許庁への出願後における審査状況や登録後のステータスも、CotoboxのWebサイトにアクセスすれば確認することができます。費用についてもAI技術を活用した自動化により、人的コストを削減できたので、従来型商標登録サービスに比べ1/4の価格を実現しています。

最後に、全てのページにチャット機能を設け、ユーザーの不明・不安な点を即座に取り除き、安心して利用していただけるサポート体制を整えております。

・知財の民主化へ向けたサービス開発


Q3. Cotoboxに活用されているAI技術とはどのようなものなのでしょうか。
AI技術の中で、特に、ディープラーニングによる自然言語処理にフォーカスしています。

この技術により、今まで弁理士が行っていた専門的な作業のほとんどを、実務未経験者でも担当できるようになります。商標の権利範囲についての適切な検索や、商標の登録可能性の自動チェックは既に実装されています。この技術については複数の特許を出願中です。

Q4. 今後の展開、将来的な目標などがあれ教えてください。
知財の民主化を実現します。今までは、十分に資力のある大企業が積極的に知財サービスを利用してきましたが、誰でもカンタンに知財サービスへアクセスできるようにします。

また、価値ある情報のカタマリである知財を、リアルタイムに可視化できるサービス開発を進めてまいります。

今回の「オンライン商標登録サービス」は、第1フェーズであり、今後は、
・中国などの海外商標登録を身近に
・知財業務の自動化
・価値ある体験(コト)の創出
などリーガルテックの新しいドラマを作っていきたいと考えています。

ディープラーニングを活用することで、これまでの商標登録では考えにくいスピード、価格を実現したcotobox。まだ登録を済ませていないスタートアップや、起業する予定のある人はぜひ利用してみてはどうだろうか。

(取材・文  shimamura)
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