WattUpは、米国のスタートアップEnergousが開発するワイヤレス充電技術だ。充電には高周波(RF)を利用し、これにより、Qiのように近接距離ではなく、遠隔での電力供給が可能となる。
このほど、WattUp対応の送電機(トランスミッター)が米連邦通信委員会(FCC)の認証を取得し、実用化に向けて大きく前進した。
1月に開催されるCES2018での実演が決まっており、再びアップルとの連携も噂されるWattUpについてみていく。
・意識しなくてもデバイスの充電が完了している世界へ
WattUpでは、トランスミッターがWi-Fiのように送信する電波を利用して、レシーバー搭載機器を充電する。
レシーバーを内蔵することで、スマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスのほか、家電やIoT機器への電源ケーブルなしの充電が実現する。
一度に複数台のデバイスを充電できて、充電が完了すると送電を停止。専用ソフトウェアから充電するデバイスの優先順位や充電スケジュールなどの設定も可能だ。
常に持っておくもの、身に着けるものに関しては、充電時間の確保を考慮する必要がなくなるし、家電については目障りなケーブルがなくなり、これぞ真のワイヤレス充電といえるだろう。
・約90cm圏内のデバイスを遠隔充電
FCCによる認証を受けたトランスミッターは、最長3フィート(約90cm)の距離での充電が可能なものだが、現在、同技術により充電可能な距離は最長15フィート(約4m60cm)とのこと。
WattUpのレシーバーは小型で、防水のものを含むあらゆるデバイスに搭載可能なことから、今後の同技術の展開次第では、人はデバイスの電力チャージに関して物理的・時間的制約から解放される日が来るかもしれない。
今回のFCCによる認証はそのための重要なマイルストーンだと考えられ、CES2018で出てくる技術詳細についても注目したい。
参照元:True wireless charging is about to become a thing/Mashable
参照元:Wire-free charging could become a reality in 2018 with WattUp/Pocket-lint