マウス実験でその成果が確認されたとして、このほど専門誌に発表した。
・極細の針から薬注入
薬を内蔵するパッチには、マイクロニードルという髪の毛よりも細い針がついている。マイクロニードルはすでに医療現場で使われていて、注射などに比べ痛みがないのが特徴だ。
そのパッチを貼ると針先から薬が皮膚下にゆっくりと注入され、直接脂肪に働きかける。
・白色から褐色へ
ご存知の方も多いかと思うが、脂肪には2種類ある。ひとつは白色脂肪。エネルギーを蓄積する、いわゆる“余分な脂肪”だ。
もうひとつは、褐色脂肪。こちらは体内に蓄積された余分な脂肪を熱に変えて放出する“いい脂肪”。
開発中のパッチは、白色脂肪を褐色脂肪に変えるというのだ。
・4週間で脂肪量30%減
実験では、高脂肪食を与えられ続けて肥満となったマウスにパッチをはったところ、貼ってから5日以内に白色脂肪が褐色化し始めた。結果として、4週間で脂肪量が30%減った。しかも血中コレステロールと脂肪酸レベルの低下も認められたという。
臨床試験はこれからだが、実用化されば肥満社会の救世主となることは間違いないだろう。
南洋理工大学