これまで端末情報サイトに注力してきた同社には、畑違いと思われそうなサービス。どんな理由で、買収に至ったのだろうか。その裏側について、代表取締役社長の麻生 輝明(あそう てるあき)氏に語ってもらった。
・あれよあれよという間に事業譲渡契約完了
Q1:今回の買収の背景と経緯について、お聞かせください。
開発者(せせり氏)とは、1か月前にお茶を飲む機会があったので、面識はありました。しばらくして、彼がツイッター上で売却について示唆するツイートをしていたので、弊社で買えないかと、ダイレクトメールを送ったのです。
その後、金額の折り合いがついたため、翌日にはオフィスに来てもらい、技術デューデリジェンスを行いました。収益やアクセスの情報をもとに、ビジネス性も理解しました。買収までにかかった時間は、わずか60時間です。開発者も、アクセスが増えすぎていて、一人で処理できるレベルではなくなっていたことなどから、譲渡を希望していたようです。
Q2:「Peing - 質問箱」とは、どんなサービスなのでしょうか。併せて、本サービスのどの部分に着目したのかも、お聞かせください。
ツイッターに特化した、非常に簡単でわかりやすいサービスです。ログインだけで質問箱を設置し、匿名で質問を受け付けることができるので、自分に興味のある人から、いろいろなコメントが寄せられます。質問する側は会員登録なども不要で、質問箱のページから自由に質問をすることができます。(中略)
着目したのは、質問箱設置から投稿、閲覧までグルグルとバイラルが効いて、アカウント数が瞬く間に増えていく点です。実際、開発から1か月で、2億PVペースまで成長しています。(中略)「質問箱」というサービス名がわかりやすかったのと、ツイッターログインに特化した点が、大きいようです。
・多彩な仕組みを検討中
Q3:サービスの方向性について、お伺いします。今後、どのようなマネタイズを考えていますか?
回答者への投げ銭の仕組みを作ろう、と思っています。ビジネスアカウント・有料サービスの仕組みなども、検討中です。また、PV自体の向上を図るため、質問箱の中をもう少し回遊するようなシステムも考えているところです。アプリでLTV(顧客生涯価値)をアップする施策も、準備中です。
Q4:企業全体の今後の展開について、教えてください。
サービスを多言語対応化し、グローバルに拡大する予定です。有名人の利用を促進するマーケティング活動にも、ますます力を入れていくつもりです。
2017年も残りわずかというところで、大きなフェーズに入ったジラフ。来年は、同社にとって勝負の年となるだろう。さらなる飛躍に、期待したい。(取材・文 乾 雅美)
Peing-質問箱