クラウドファンディングの世界とて、例外ではない。今月6日にベータ版がリリースされたばかりの「REAL BOOST(リアルブースト)」は、決済手段としてイーサリアムを導入。法定通貨を使わないため、海外とのやり取りが、よりスムーズになる。
提供元は、今年創業のbacoor(バコオアー)。代表取締役COO&CTOの奥田 雄馬(おくだ ゆうま)氏に、話を聞いた。
・サービスの根幹となるプログラムをブロックチェーン上で稼働
Q1:決済方法にイーサリアムを採用した理由を、お聞かせください。
イーサリアムを採用した最大の理由は、イーサリアムの拡張性および将来性に、魅力を感じたからです。「REAL BOOST」では、サービスの根幹となる部分のプログラムを、イーサリアムブロックチェーン上で稼働させています。つまり、bacoorという会社がなくなっても、イーサリアムブロックチェーンが止まらない限り、サイトのプログラムは、動き続けるのです(中略)。
これがイーサリアムを決済方法に選んだ理由であり、より多くの人に、イーサリアムの仕組みに触れてもらうことが目標です。
Q2:今は追い風になってきているとはいえ、暗号通貨に消極的なユーザーは、まだ多くいると思われます。そうした層に対して、どのようにアプローチしていかれるのでしょうか。
暗号通貨は、その通貨の経済圏に入るためのチケットです。まずは、暗号通貨を試しに持ってもらうことが、第一歩であると考えます。そのため、「REAL BOOST」では、登録者先着3000人を対象に、イーサリアムをプレゼントするキャンペーンを、実施しております。今後も同様のキャンペーンを、行っていく所存です。
また、より多くの機能を実装し、アーティストなど、自身のコンテンツを持つ人の活動を、後押しできるプラットフォームに育てていきたいと思っています。こうした努力を積み重ねながら、暗号通貨の用途が投機だけではないことを、認知してもらうつもりです。
・支援の証拠を半永久的に残せる
Q3:サイトについてお伺いします。他のクラウドファンディンサイトとの決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。
(従来サイトとの大きな違いは)資金調達を行いたい人それぞれの暗号通貨(オリジナルコイン)が、実際にイーサリアムブロックチェーン上に、作成される点です。
イーサリアムブロックチェーンが動き続ける限り、そのオリジナルコインは存在し続けます。つまり、「誰が・誰に・いつ・いくら支援したのか」という証拠が、半永久的に残るわけです。
弊社のスマートフォン向けウォレットアプリ「HB Wallet」を使えば、どこからでも支援できますし、確認も可能です。暗号通貨を用いるので、支援という行動に、国境が影響することもありません。
Q4:今後の展開について、教えてください。
まずは、サービスをベータ版からプロダクト版にすべく、機能の拡充を行います。資金調達を行いたい人が、自分のコンテンツをさまざまな形で提供できるプラットフォームにする機能です。この機能拡充によって、自分のオリジナルコインのニーズを高めやすい仕組みを整備します。そして、日本国外へのプロモーションを強化し、世界中にユーザーを拡げていくつもりです。
支援額を自分で調整できるクラウドファンディングは、暗号通貨入門として、もってこいなのかもしれない。「REAL BOOST」では現在、各種クリエイターやスタートアップ企業、ロックバンドなど、多彩な面々が資金援助を募っている。この機会にぜひ、ためしてみてはいかがだろうか。(取材・文 乾 雅美)
REAL BOOST(ベータ版)