シンガポール国立大学のNimesha Ranasinghe氏を中心とする研究チームは、味覚を自在に変化させられる「Vocktail(Virtual Cocktail)」の開発に成功。五感を欺くことで、普通の水をカクテルに変えられるという、革新的なデバイスだ。
・五感をだまして多彩な味を引き出す
そもそも味覚とは、単に物の味だけで完結しているわけではない。見た目や匂いなど、五感をフルに活用した結果、初めて味覚として感じられるのである。本デバイスは、そうした五感の作用をうまく活用したもの。
感覚の操作によって、ベースとなる飲料を、まったく違う味に生まれ変わらせることができるのだという。
「Vocktail」は、カクテルグラス型の本体と、アプリのセットで稼働する。グラスの下部には、3つのアロマカートリッジと、その香りを送る3つのポンプ、感覚操作のためのコントロールパネルを装備。グラス部分に入った液体は、LEDライトによって色が変わる。グラスから液体を飲むと、縁部分からリム電極が舌に流れ、味覚を変化させる仕組みだ。
・味や香りは専用アプリで設定
色や味、香りは、アプリで簡単に設定できる。お気に入りのフレーバーは保存できるし、色も自由にカスタマイズ可能だ。
さて、この「Vocktail」。商品化は今のところ未定だが、実現すれば、現代人の生活に大きく貢献するのではないだろうか。
運転などでお酒が飲めないときに使えるし、お店に行かずに、多彩な味を満喫できる。材料は飲料水だけだから、コストもかからない。市場に出るのは、いつになるのか。楽しみに待ちたい。
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