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3Dプリンターの出力速度を10倍にするテクノロジー「FastFFF」をMITが開発

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、既存の3Dプリンターに比べて10倍速く出力できるデスクトップ3Dプリンターの開発に成功した。

知育玩具LEGOサイズのブロックを数個出力するために要する時間が、従来の1時間から2〜3分程度にまで大幅に短縮できるという。

・既存の3Dプリンターに比べて10倍スピードアップ


3Dプリンターの造形方式のひとつである「熱溶解積層方式(FFF)」は、細かい糸状の樹脂を熱で溶かしながらノズルから押し出し、樹脂を積み上げて造形するというものだが、スピードが遅いのが課題だ。

そこで、研究チームでは、スピードを制約する要因として、プリンターヘッドが樹脂をノズルに押し出すパワー、プリンターヘッドが熱を伝えて樹脂を溶かす速さ、3Dプリンターがプリンターヘッドを動かすスピードという3つの要素に着目し、独自のテクノロジー「FastFFF」を開発した。

「FastFFF」では、スクリュー式のパーツをプリンターヘッドとすることで、糸状の素材に触れる面積を大幅に拡大させ、ノズルに樹脂を送り込みやすい仕組みを実現。

また、プリントヘッドにレーザーを組み込み、樹脂がノズルを通過する前に熱して溶かす工夫を施した。

さらに、プリントヘッドを支えるステージと接続されたガントリー(構台)は、複数の位置と平面をすばやく移動するよう設計され、樹脂がより速く出力されるのに合わせて、プリントヘッドを速く動かすことができる。

・新素材への応用や3Dプリンターの大型化も視野に


研究チームでは、今後、高強度ポリマーや複合素材といった新素材への「FastFFF」の応用を検討しているほか、「FastFFF」をベースとする3Dプリンターの大型化にも取り組む方針。

3Dプリンターの普及を妨げる要因のひとつでもあった“スピードの遅さ”が改善されれば、3Dプリンターの需要のさらなる拡大にもつながりそうだ。(文 松岡由希子)

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