ブロックチェーンによるシステムの普及で、データがますます価値のあるものになっている。
データを活用については、GoogleやFacebook、AirBnBなどクローズドなサービス内で特権的におこなわれてきたが、ブロックチェーン技術により、セキュアなデータの活用が可能となった。
今回ご紹介するのは、ブロックチェーン上に構築された旅行業界向けの分散型データ交換プラットフォームだ。暗号化して、個人の識別ができない状態でデータを扱うため、法人や個人が各々の目的でデータを利活用でき、データ提供による利益も得られる。
旅行業界におけるデータの利活用を加速させる可能性がある「TravelChain」について見ていこう。
・法人や個人が安全で自由にデータをやり取り
TravelChainでは、信頼性を担保しつつ個人情報なしでデータを蓄積。ユーザーは蓄積情報の管理やリアルタイムでの情報配信が可能だ。
蓄積された行動データ、経済状況や健康状態などの個人属性は旅行者の行動予測に役立つ。
サービス提供者は、旅行者の要望に応じたサービスを先回りして提供できるほか、ターゲッティング広告発行や市場分析、顧客から声の収集にも活用できる。
旅行者は、情報の提供を安全におこなえインセンティブが得られるほか、共有された豊富な情報にアクセスできて旅行を有意義なものにできるだろう。
・高い信頼性を備えたプラットフォーム
データのやり取りは、TravelChain上のトークン(TravelToken)を介しておこなわれる。トークンの販売は、当初イーサリアム(Ethereum)のスマートコントラクトをベースにしたシステムでおこなわれる予定だったが、グラフィン(Graphene)を採用することにしたようだ。
Grapheneは、ビジネス向けの分散型プラットフォーム開発プロジェクト、ビットシェアズ(BitShares)によって生み出されたツールキットだが、ブロックチェーン上の決済において、潜在的には100000TPS(トランザクション/秒)という高い処理能力の実装が可能とのこと。
ちなみに現時点の処理能力に関して、Visaが56000TPS、Bitcoin(ビットコイン)が7TPS、Ethereumが10TPSとなっている。
サービスの遅延は旅行者にとっての使用感を損ない、サービス提供者にとっては致命的なものだ。開発しやすく信頼性の高いプラットフォームを用意することは、サービスを構築する開発者にとってもありがく、まさに三方良しのプラットフォームといえるだろう。
参照元:TravelChain Launches World’s First Decentralized Data Exchange For the Travel Industry/NEWSBTC