・ドームの内部に森林を作る
「レッドウッドフォレスト」プランの概要は、巨大なドームの中に森林を作ろうというもの。そのために必要なのが、“roots(根)”と呼ばれるトンネルシステムだ。画像を見ると、ドームの下部に作られたトンネルが、まるで根のように地下に張っている。ここから住宅部へ、酸素とエネルギーを供給する仕組みだ。
ドームはまた、宇宙放射線やマイクロメテオロイト(宇宙塵)による衝撃を保護。極端な温度変化にも対応する。表面を覆う細胞のような膜が、その役割を果たす。
水素燃料電池を充電し、クリーンエネルギーを生成するソーラーパネルも、組み込む予定だ。平均気温マイナス40度の極寒地帯、空気も薄い火星に住むには、建物自体がフィルターとして活躍しなければならない。その点は、“氷の家”とほぼ同じと言える。
・実現するには“詰め”が必要!?
これを火星中に点在させ、1つのタウンにするというのが、MITチームの構想だ。ちなみにドーム一体につき、最大50人を収容。見通しでは、建設作業員は約200人、開拓民として1万人の人員が必要だとのこと。
チームはさらに、この「レッドウッド」構想は火星のみならず、地球での導入も十分可能だと述べている。確かに、酸素の薄い高山地帯など、過酷な環境下には最適だろう。
細部まで練り込まれているように思えるが、まだまだ現実的なレベルとは言えないらしい。実現するには多くのサポーターの意見が必要というのが、NASAの見解だ。次の火星探索時までに間に合えばいいのだが。地球人の夢は、膨らむばかりだ。
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