このほど、初のプロトタイプとして、アムステルダム市内の公共空間に設置する四人掛けソファー「XXX」を発表した。
・廃プラスチックをリサイクルし、3Dプリンターで巨大ソファーを“出力”
座面が曲がりくねり、巨大なロッキングチェアのような「XXX」は、アムステルダム市が収集した廃プラスチックをペレットやフレークなどの原料に再生し、大型の3Dプリンターを使って“出力”したものだ。
このソファー1台の製作に要する廃プラスチック量は、アムステルダム市民2人分の年間排出量に相当する46キログラム程度。
3Dプリンティング技術を活用することで、製作プロセスでの原料の無駄を軽減できるほか、形や機能などのデザインを自由にカスタマイズできるのが利点だという。
・循環型社会を見据えた市民参加型まちづくりの仕掛けに!
「Print Your City!」は、オランダの研究機関「AMSインスティテュート」の循環型都市プログラムの一環として、蘭デルフト工科大学らの助成のもと、蘭ロッテルダムの設計事務所「The New Raw」が中心となって取り組んできたプロジェクトだ。
廃プラスチックのリサイクルを推進するのみならず、公共空間に設置する家具のデザインや製作に一般市民を幅広く関与させることを目指している。
循環型社会を見据えた市民参加型まちづくりの仕掛けとしても、興味深い試みといえよう。(文 松岡由希子)
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