2017年11月21〜22日、ベルサール汐留にて「SoftBank Robot World 2017」が行われています。目玉は2.0に進化したPepperの事例やお仕事紹介です。AIと組み合わせてお客様に最適なワインを選んでくれたり、店員に代わり注文を承ったり、インバウンド対応、運送会社のドライバー問診など、「ここまでできるのか?」なことばかり。
すっかり身近になったPepperくんが描く未来を見てみましょう。
・完全に人。音声学習で知らない単語を覚えるPepperくん
展示を見て一番驚いたのが、こちらのPepperくん。接客ツールとして活躍するのですが、お客さんに知らない単語を言われると、そのときは「ごめんなさい、わかりません」と返すのですがそのワードを覚えていて、あとからスタッフに「トンカチどこ?って言われたんですが、トンカチってどういう意味ですか?」と聞きます。そこでスタッフは「トンカチは金槌と同じものよ」って教えてると、次回お客さんに「トンカチどこにありますか?」と聞かれたら金槌コーナーを案内できる。そんなことができちゃうんです。新人アルバイトのように、みんなで教えられるので、愛着もわきますし、なによりPepperくんすごい。
Pepper2.0はアプリの設定がとてもやりやすくなっていて、何か仕様変更の度にエンジニアを呼ばなくて良いんです。それどころか、音声で新しいことを覚えられるって、凄すぎるなぁ。未来だなぁと感じます。
・Pepperくんが元気で動いている
入場すると、いきなり動き回るPepperくんに会えます。なんか元気そうに動き回っています。動く機能自体はすでに導入されていたようですが、店頭で見かけるPepperくんは動かないものも多いので、なんだか新鮮な感じ。動き回りながらプレゼンしています。なんだかいきいきしているし、人間みたいな動き……。これは凄そうだぞ。
・AIと連携し好みのワインを選んでくれたり、運転手さんの出発前のヒアリングをしてくれたり
こちら、AIソリューションを提供するユニット「すまのべ」さん。SENSYと組んで、試飲してもらったワインから好みのワインを選ぶ。という仕組みを提供しています。3本試飲した(と想定)僕のワインの好みはこちら。「余韻と渋みに鋭い感覚をお持ちです」……なんか照れる。
一緒に食べたい料理や、価格帯を選択すると、好みであろうワインを選んでくれます。ソムリエですねこれは。しかも、アプリを使うと自分の好みを保存できるので、その情報をPepperくんに読み込ませて、好みのワインを提供していただく……なんて使い方もできます。未来。
こちらは運送会社に導入した場合のPepperくん。アルコールチェックや、免許書認証、顔認証、ウェアラブルガジェットのFitbitと連携し、睡眠時間のチェックなどを行ってくれます。
睡眠時間が少ないと注意を促してくれたり、曜日、時間帯などから注意すべきポイントなどを教えてくれます。
こちらはアルコールチェック。寝る時間や深酒により、アルコールが体内に残っている場合があります。アルコールチェッカーの結果をPepperくんが優しく教えてくれますよ。
上司に言われるとムッとすることも、Pepperくんが伝えることにより、素直に聞くことも多いそう。お仕事前に癒やされますよね。
こちらは駄菓子屋のおばちゃんに扮するPepperくん。持ってきたお小遣いを選択し、駄菓子をテーブルに置くとおばちゃん(Pepperくん)がチェックし、お小遣い内で買えるのか確認してくれます。完全におばちゃんや。
・インバウンド対応、英語がわかる店員さんが応募してくるのを待たなくて良いんです
こちらはカフェPRONTOのPepperくん。海外の方のために、注文を受けてくれます。言語を選択すると、その言語で外国人旅行客に話かけてくれます。注文したいモノを選択すると、注文用紙が印刷され、店員さん(人間)に渡すだけ。完全に言葉の壁を超えた感じあります。
こちらはネスカフェのバリスタと連動したPepperくん。コーヒーの好みを聞いて、Wi-Fiと連動したバリスタがコーヒーを入れてくれます。
エスプレッソが良いのか、ブレンドが良いのかを聞いたり、濃さやコーヒーの量など聞いてきます。
コーヒーです。うまい。お店でのサービスであれば、コーヒーを淹れている間に、Pepperくんに、自社のクーポン券の紹介してもらったり、簡単なアンケートを取ってもらったりできます。Pepperくん、有能やで。
会場内はいろんな企業関係者が来場していました。導入を検討しているところも多いようで、スタッフの話を真剣に聞いている人がほとんど。
また、会場はPepperくんがメイン。皆にこやかにPepperくんが出来るようになった新しいことをまるで親のような暖かい目で見ていたのがとても印象的でした。ここまで自然にテクノロジーとロボットが溶け込んでいくんだなと。すでに始まった未来を垣間見られた気がします。
SoftBank Robot World 2017は明日11月22日も開催されています。
橋本 憲太郎