残飯すなわち生ゴミから調理用ガスを作る装置「HomeBiogas 2.0」である。
この企業は以前から家庭用クリーンエネルギー事業に取り組んできたが、今回は発展途上国の各家庭でも簡単にバイオガスが生成できるような装置を開発した。
それは「空気で膨らませるバイオガス生成装置」だ。
・手軽に設置できる生成装置
まず最初に、バイオガス生成の仕組みを簡単に説明しよう。
バクテリアを含んだ水の中に生ゴミを投入すると、それが発酵分解されて同時にガスを放出する。要はそのガスを1ヶ所に集めて燃料に転用するわけだが、バクテリアによる作用が終わったあとの残りカスは肥料にもなる。余る部分がまったくないというわけだ。
この仕組み自体はとくに目新しいものではないが、HomeBiogas 2.0の場合は装置の大幅な簡略化に成功したということで注目を集めている。
金属製の無骨なものではなく、浮き輪やビーチボールと同じく空気で膨らませるタイプのものだ。使わない時は折り畳んで倉庫に収納できる。「装置」というよりは「アウトドアグッズ」と言うべきか。1日で3時間の調理を行える量のガスを生成できるとしている。
前作のHomeBiogasは、据え置きのダストボックス型だった。それがキャンプで使うテントのような製品になってしまったのだ。
現在、プエルトリコとケニアでこのHomeBiogas 2.0を普及させようという取り組みが行われている。
・発展途上国で普及事業
Kickstarterの投資枠では、485ドル(約5万5000円)からの決済で製品の提供を公約している。配送は来年4月を予定している。
また、先述のようにプエルトリコとケニアで事業を展開するため、この両国への寄付を募る50ドル(約5600円)枠も用意されている。
特殊な設置工事が一切必要ないものだから、発展途上国での普及は決して夢物語ではない。
Kickstarter