それは、スマートフォンの新たなテクノロジーとして、人間の“気分”を感じ取り、自動的にFacebookなどのソーシャルネットワークでシェアできるような仕組みを構築するもので、“気分”を検知する「MoodScope」という技術を導入している。「MoodScope」はユーザーの精神面の状態を測定し、今の気分を、“緊張している”“幸せである”“驚いている”“退屈している”“穏やかである”“”ストレスを感じている”“興奮している”といったようなカテゴリに分類する。
デジタルのコミュニケーションにおいて、こういったユーザーの“気分”を前提に置くことで、話す内容、話しかけるタイミングなどに配慮できたり、接し方がより細やかになり、リアルの世界に近い人間同士のコミュニケーションが取れるようになるのでは、とMicrosoftは考えているようだ。また、この“気分”検知のシステムは、動画や音楽をリコメンドするサービスにとっては、ユーザーの気分に合わせ、今求めているもの、気分に適合したコンテンツを推奨できるようになり、ターゲットを絞ったビジネスを展開することにも役立ちそうだ。
現在、Microsoftが構築したプロトタイプでは、32の被験者に対し、気分検知の精度は平均しておよそ66%程度だが、今後2ヶ月の治験期間を経て、95%を目標とした精度向上を目指していくという。人間らしい“気分”という要素が、デジタルの世界でどう扱われていくのか興味深いものである。今後の推移を見守りたい。
Microsoft 「MoodScope」